ベトナム、8年ぶりのスズキカップ優勝ならず
8年ぶりのスズキカップ優勝を目指したベトナム代表【写真:Getty Images】
2年に1度の東南アジアサッカーの祭典「AFFスズキカップ2016」は17日に決勝2ndレグが行われ、1stレグを1-2で落としていた前回王者タイがインドネシアを2-0で下して逆転優勝を決め、史上最多5度目の優勝を飾った。東南アジアで唯一ワールドカップ・アジア最終予選に進出したタイは、スズキカップにもベストメンバーを送り込み、頭一つ抜けた存在感を示して王者と呼ぶにふさわしい強さを見せつけた。
一方、対抗馬と見られていたベトナムは、決勝トーナメントに入ってから相変わらずの勝負弱さを露呈。8年ぶりの優勝を目指したベトナムの挑戦は、準決勝でインドネシアに敗れて3大会連続のベスト4敗退。今回は様々な課題が見えたベトナム代表の現在について、幾つかのキーワードとともに振り返ってみる。
まず一つ目のキーワードは、“ベトナムの英雄”の異名を持ち、東南アジア人初のJリーガーとして日本でもお馴染みの元札幌FWレ・コン・ビンの引退。2008年大会で初優勝に貢献したレ・コン・ビンは、大会前に代表引退(※その後、現役からも退くことを発表)を表明していたため、これが最後の国際大会となった。
“ベトナムの英雄”の最後の花道を飾ろうと意気込むチームは、ベテランから若手までが一丸となって大会に臨み、ミャンマーで行われたグループステージを3戦全勝で勝ち抜いて準決勝に進出。レ・コ・ビン自身も2ゴールを挙げて勝利に貢献した。
しかし、連戦の疲れからか準決勝1stレグは低調なパフォーマンスに終始。レ・コン・ビンをスタメンから外すべきかが国内でも議論になったが、他に代役を務められる選手がいないという事実もあり、グエン・フー・タン監督はクラブ時代からの愛弟子レ・コン・ビンを起用し続けた。