スタジアム問題における司令塔
すでに12月の実行委員会と理事会で検討委員会の設置を報告。今後は人選を急ぎ、年明けから議論を開始したいとしている。スタジアム問題における司令塔として全幅の信頼を寄せる佐藤マネージャーの起案を、村井チェアマンはこう受け止めている。
「彼の理想として、陸上競技場、野球場、サッカーやラグビーの球技場、テニス場とさまざまな競技ごとの運動設備が全国に広がっていくことがあります。日本のフットボールが中長期的に発展していくことを考えたときに、サッカー界としてもレギュレーションの変更を早目に提言することで、しっかりと議論したいとなったわけです。
私自身、百年後にはJリーグのすべての試合が、サッカー専用スタジアムで行われている状況にしたいと思っています」
Jリーグは2013年度から、Jクラブの資格制度である「Jリーグクラブライセンス制度」を導入・運用している。「競技」「施設」「組織運営・人事体制」「財務」「法務」の5つの分野において一定の基準による審査が毎年行われるもので、ここまで記述したスタジアム基準の変更検討は「施設」に該当する。
一方で「財務」についても変更の余地があるのか否かを、検討委員会を設けて別途議論していくことでも合意に達している。対象となるのは「3期連続の赤字計上でクラブライセンスが剥奪される」という基準だ。
クラブライセンス制度の導入が決まった2012年度の時点で、3期連続赤字を計上していたJ1およびJ2のクラブは「6」を、債務超過に陥っていたクラブは「9」を数えていた。
未来へ向けて投資していくうえでも、財務基盤の強化は必要不可欠。2014年度の時点で3期連続赤字あるいは債務超過のJクラブには、翌年度のクラブライセンスを発行しない方針を通達した。
最悪の場合は下位リーグであるJ3やJFL、地域リーグへの降格を余儀なくされる。そのために当該クラブは経営再建を急ぎ、2016年度までは3期連続赤字、債務超過のクラブはともにゼロとなっている。