「アクション・フットボール」はどこへ。必然の城福氏解任
城福監督が掲げた「アクション・フットボール」は完成することなく終わった。どのような形で攻撃をしていき、得点を奪うのか、選手がアクションするのかが全く見えることはなく、勝利した試合でも相手を押し込むというよりも昨年までの堅守とセットプレーの強さでしぶとくものにするという展開だった。
2月にACLプレーオフがあり、キャンプも2回に分けて行わざるを得なかったというエクスキューズはある。しかし、昨年までの堅守速攻からのスタイルの転換に戸惑い、選手がピッチの中でアクションしている様子は見られなかった。シーズンが進むに連れて、チームが良くなる気配もなかった。ファンにとっては、受け入れ難い時期を送ることになった。
6月に行われた浦和戦では2点リードから逆転負けを喫したが、この試合を含めて交代カードを切るたびに流れは悪くなる試合があり、勝ち点を落としていった。浮上のきっかけを掴みたいセカンドステージ初戦ではフィッカデンティ監督率いる鳥栖を相手に、アディッショナルタイムに2失点して逆転負け。チームの構築、試合中の交代策、全てが上手くいかなかった。城福監督の解任は当然の判断だ。
そのような状況でチームを引き継いだ篠田善之監督(コーチから昇格)は球際の激しさ、攻守の切り替えといった基本を見直し、中島翔哉、室屋といった若い選手を積極的に起用。メンバーも固定し、結果を出していった。
篠田監督就任後、リーグ戦12試合で8勝2分2敗とチーム成績は向上。選手たちもアクションするようになっていった。特に左サイドハーフの中島はチームの攻撃の軸として欠かせない存在となっていった。
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