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セリエA 8年前

ミラン、スーパー杯制覇から見える確かな成長。ユベントス撃破のカギとなった3つのポイント

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

モンテッラの指導で前進続けるミラン

ユベントス
PKでタイトルに届かなかったユベントス【写真:Getty Images】

 個々の選手の能力もうまく引き出している。昨季はなかなかチームにフィットできなかったアンドレア・ベルトラッチも、故障明けながら開幕からずっとプレーしていたかのように中盤で攻守に機能した。マリオ・パザリッチも成長させ、この日は先発した中盤のメンバーが疲れてきたところでの交代カードとして贅沢に使った。こうした層の厚みも開幕時にはなかったもので、モンテッラが練習を通して”駒”の数を着実に増やしていることを物語る。

 延長も意識して交代のカードをしっかり残しながら戦わせたあたりも心憎いばかりで、スソに押し込まれた左サイドの対処で後手に回ったユベントスのマッシミリアーノ・アレグリ監督と対照的だった。試合後の記者会見で「選手たちに、チームが成長していることに、そして自信を深めていることに満足を覚えている」と語っていたが、ミランがそうなったのはまさにこの人の指導力あってこそだ。

 一方、敗軍の将となったアレグリ監督は「スソにやられたことも事実だしミランも讃えるが、内容では決して負けていなかったと思う」と強気の姿勢を崩していなかった。もっとも、相手より攻撃力で勝るはずの陣容を備えておきながら1点止まりだったことも事実だ。レオナルド・ボヌッチの不在が響いてか、後方からの組み立てがスムーズに行かず攻撃のスピードは上がらなかった。修正の上手い彼らのことだ、ウインターブレイク明けのリーグ戦、ボローニャ戦はまず落とさないとは思うが…。

(取材・文:神尾光臣)

【了】

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