メジャーでなくても得られる貴重な経験
細貝のように監督の交代やケガで立場が大きく揺れ動いたり、浅野のように未知なる環境やサッカースタイルに戸惑ったり、太田のように言葉を言い訳に干されるといった事例は、海外移籍ではありがちだ。
ただ、いずれも日本にとどまっていたら体験できない出来事ばかりなのは間違いない。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「日本の選手はもっと海外に出ていくべき」と口癖のように言うのも、このような異次元の世界に身を置くことでタフさと適応力、あらゆるものを許容できる懐の深さを身に着けてほしいからに違いない。
日本人のサッカー選手やサポーターは主要リーグに行くことだけが成功と考えがちだが、彼らのように非メジャーのリーグに行ってこそ得られるものもある。この3人を筆頭に、他の国々でプレーする選手たちには、その貴重な時間を生かして自らを飛躍させ、日本サッカー界に経験を還元してくれることを強く願いたい。
(取材・文:元川悦子)
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