不完全燃焼の細貝。監督交代という不運も
日本代表の看板選手である岡崎慎司(レスター)のプレーするイングランド・プレミアリーグ、香川真司(ドルトムント)のいるドイツ・ブンデスリーガ1部、本田圭佑(ミラン)のいるイタリア・セリエAなどはつねに高い注目度を誇るが、欧州組にはそうでないリーグで戦う選手も少なくない。
その筆頭が細貝萌、浅野拓磨という日本代表経験者2人が挑んでいるブンデス2部。ブンデスリーガ1部では5回の優勝を誇る名門シュツットガルトは昨季17位に沈み、41年ぶりの降格を強いられた。
1年での1部復帰を目指す彼らは今季からアウグスブルクやヘルタ・ベルリンを昇格させた経験のあるヨス・ルフカイ監督を招へい。細貝は恩師である彼の下で再びプレーしたいと考え、トルコ1部のブルサスポルから新天地に赴いた。
ところが、そのルフカイ監督がクラブの強化担当者との方向性の違いによって9月に辞任。ボルシア・ドルトムントユースを率いた実績のある35歳のハネス・ヴォルフ監督を就任させ、チーム立て直しを図っている。細貝はちょうどそのタイミングに足を負傷。出遅れを余儀なくされてしまった。
「新しい監督はボランチにボールポゼッションとハードワークを求める感じがしたけど、僕は新体制がスタートしてすぐに足の小指を骨折して5週間離脱してしまった。その間にチームが結果を残していたんで、一緒にいた選手といなかった自分との差はやっぱりありますね。もっと練習を重ねて監督のやりたいことを理解しなきゃいけない」と細貝は危機感を募らせる。
11月29日のニュルンベルク戦で復帰後も2試合は途中出場のチャンスを与えられたが、12月12日のハノーファーとの上位対決は出番なし。前半のうちに先制しながら同点に追いつかれ、攻めの圧力を加えなければならなかったという事情はあるにせよ、細貝にとっては不完全燃焼感が拭えなかったに違いない。