Jリーグの村井満チェアマン(左)【写真:Getty Images】
Jリーグは21日、都内で「J.LEAGUE PUB Report 2016 winter発行に関するメディアブリーフィング」を行い、村井満チェアマンが「2ステージ+チャンピオンシップ(CS)制」に触れ、その導入の効果は「限定的だったと総括している」と語った。
Jリーグは関心度の向上を主たる目的として2015年シーズンから「2ステージ+CS制」を導入した。その背景には「リーグへの関心低下」、「テレビ放送の減少」、「放映権料やスポンサー収入の頭打ち」などの問題によって、リーグとして10億円の減収が懸念される状況に陥ったことがある。
大会方式の変更が決定された2013年当時、サポーター、メディア関係者からは多くの反発があった。だがJリーグは、本来は1ステージ制が望ましいとしながらも、「新規ファンの開拓」と「スポンサーメリットの創出」を目的に「2ステージ+CS制」を導入するに至っていた。
「J.LEAGUE PUB Report 2016 winter」では、ビジネス的な観点として視聴率(関東エリア)等のデータがあげられており、その数字は下記の通り。
・2015年(広島-G大阪)
第1戦 7.6%(TBS)
第2戦 10.4%(NHK総合)
・2016年(浦和-鹿島)
第1戦 7.3%(TBS)
第2戦 10.8%(NHK総合)
単純計算で両年ともに合計約18%の数字になり、延べ1800万人以上が観戦したことになるとして、村井チェアマンは「1800万人が見たあの試合においては、いい手ごたえを感じました」とコメントした。
だがいっぽうで、通常のリーグ戦における視聴率は底上げができていないことに触れ、「それ(2ステージ+CS制)が国民の関心度に寄与しましたか、それから入場数にダイレクトに寄与しましたか、というと、その効果は限定的だったということをレポートで総括しています」とし、一層の取り組みが必要だと語った。
(取材・文:中山佑輔)
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