「やりたいサッカーが全く連動できてない」
ボールを失った直後の守備を徹底させることは、ポゼッション・スタイルの“肝”だ。全体を押し上げ、敵陣に入ってボールを回そうとすれば、DFラインの背後には広大なスペースが生まれることになる。ボールを持っている時は、選手同士が適切な距離感を保ち、ロスト時に即座にボールを奪う、つまりゲーゲンプレッシングを可能としなければならない。そうしないと、32分のシーンのように、カウンターがそのまま致命傷に繋がってしまう。
「攻守においてチームとしてのやりたいサッカーが全く連動できてない」
そう振り返る香川によれば、ドルトムントは「少し今は1人1人がネガティブになったり、自信がなかったり」の状態なのだそうだ。
“悪癖”を繰り返しながら勝ち切れず、チームはドローが続いている。負傷離脱者が頻発し、過密日程の中でローテーションが組まれ、試合毎のシステム変更…まだ今季は“これぞドルトムントのサッカー”が固まっていない。
チームが自信を欠き、ネガティブな状態がもたらす脆弱なポゼッションは、ブロックを敷いてカウンターを狙うアウクスブルクの格好の餌食となった。
よって前半戦に快進撃を続けた昨季と違って今季は、ウインターブレイク中の合宿はより重要なものとなるだろう。日本代表としてアジア最終予選も戦う香川は「クラブはクラブのプレッシャーがもちろんある」と言う。
「日々、このチームでは、競争であったり、結果を求められる」
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