ホッフェンハイムを率いる“ベイビー・モウリーニョ”とは
挑戦者となれるか。2016年12月16日のブンデスリーガ第15節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでホッフェンハイムと戦う。
今やドイツ国内で、ホッフェンハイムを率いる29歳の青年監督、ユリアン・ナーゲルスマンの名を知らない者はいない。昨季の2月にU-19の監督からトップチームの監督に昇格すると、チームを降格の危機から救ったばかりか、今季は王者バイエルンとドローを演じるなど、堂々たる戦いを繰り広げている。
現在6位と調子が上向かないドルトムントを抑えて、ホッフェンハイムはCL圏内の4位。今のところブンデスリーガで唯一、無敗のチームだ。
そしてナーゲルスマンの名は、ドイツ国外にも広がり始めている。アメリカの『CNN』は「ユリアン・ナーゲルスマン:ブンデスリーガの“ベイビー・モウリーニョ”」と紹介し、フランスの『レキップ』誌は「ホッフェンハイムの赤ん坊監督、ユリアン・ナーゲルスマンとは一体誰だ?」と取り上げる。
もはや“赤ん坊監督”の名は、ヨーロッパだけでなく、アメリカでも知られるようになってきたのだ。
ナーゲルスマンは『ルール・ナッハリヒテン』紙に対して、自身のサッカーにおける哲学を次のように語っている。
「私が手がかりとするのは、ユルゲン・クロップのプレッシング哲学と素早いボール奪取、素早い攻守の切り替えとカウンター、それからペップ・グアルディオラとトーマス・トゥヘルのようなボール・ポゼッションのアイデアを混ぜ合わせたものだ」
端的に言ってしまえば、クロップ+ペップ+トゥヘル=ナーゲルスマン、ということになる。しかし、そのようにアイデアを口にするのは簡単だが、ピッチ上に実現するとなると話は別だろう。それでも29歳という監督の世界では赤子に例えられるような若さでありながら、実際にナーゲルスマンは結果に結びつけている。“天才”の称号は、選手だけのものではないのかもしれない。