リーグ最多の66失点。リーダー不在が要因に
J2で戦った昨季と同様に3バックと4バックを併用し、切り替えの早さと粘り強い守備を武器に戦った。悪い内容ではないものの、勝ち点が伸びていかなかったことはJ1の壁にぶつかったといっていいだろう。初勝利は第9節のアウェイでのFC東京戦まで待たなければならなかった。
最終ラインを中心にメンバーを固定できず、井原正巳監督はやりくりを余儀なくされた。J2ではフィジカルを武器にエースとして活躍したウェリントンのコンディションも上がらず、攻撃では起点が作れなかった。シーズン途中には亀川諒史がリオ五輪に参加するため、FC東京から駒野友一を期限付き移籍で獲得し、横浜F・マリノスから三門雄大を獲得してボランチの層を厚くした。
しかし、結果としては第14節名古屋グランパス戦に0-5の大敗を喫し、1年での降格が決定。4度目のJ2降格、そして3度目の昇格1年での降格である。
降格の大きな原因はリーグ最多となる66失点だ。切り替えの早さと粘り強さだけではJ1は勝ち切れない。ディフェンスリーダーの不在が大きかった。シーズン途中ではベテラン神山竜一の起用もあったが、状況が好転するまでには至らなかった。3バック、4バックどちらを採用してもそれをまとめる人材がいなかった。
一方でクラブの未来を担う選手たちに明るい兆しも見えた。亀川はリオ五輪に選出され、2試合に出場。福岡U-18から昇格してきた17歳の冨安健洋は15試合に起用され、金森健志の切れ味鋭いドリブルはJ1の舞台で十分に通用した。チームは降格してしまったものの、彼らがJ1を経験したことはクラブにとって大きな財産となったはずだ。
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