月開催案は欧州クラブ都合。結局は“いつも通り”の顔ぶれに?
本当の意味で世界的な大会を求めていると訴えてはいるものの、6月に開催するという案は、主に欧州のチームの都合に合わせたものだ。世界中では、もちろん日本も含めて、多くのリーグでその時期にはまだ試合が開催されている。
スポンサーやテレビ放映権に言及している点からも、さらなる不安な兆候が感じられる。インファンティーノ会長が望む方式の大会に参加するチームの大部分は、ピッチ上での結果のみならず、より高額な契約を引きつけられる力があるという理由で招待されることになるのは避けられないだろう。
つまりそれは、「UEFAチャンピオンズリーグ+α」というスタイルの大会を創設することこそが目的であることを示している。イングランド、スペイン、ドイツなどのいつも通りのビッグクラブが全て参加し、それを補完するように残りいくつかの枠が世界の他リーグに割り当てられる。
中国にもいくつかの枠が準備されることが想像できそうだ。中国のアリババE-Auto社はクラブW杯の冠スポンサーとして2022年までの契約を交わしているし、この国からはサッカーに巨額のマネーが流れ込んでいるからだ。
6月に大会を開催するという案も、旨味を増す一方である欧州のオフシーズンにつぎ込まれる金の一部をFIFAの方へ向けたいという意図によるものかもしれない。
各チームはいずれにしてもその時期に世界中を周り、大金を生むフレンドリーマッチに参加している。世界最大のブランド力を持ったクラブたちが、インターナショナル・チャンピオンズカップなどという形ではなく、FIFAの名のもとに試合を行うことが望まれているのだろう。
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