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岡崎も危惧したレスター残留争い。“奇跡の優勝”に燃え尽きた昨季王者の混迷【現地レポート】

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

解決策を探る老将ラニエリ

ラニエリ
レスターのクラウディオ・ラニエリ監督【写真:Getty Images】

 レスターの選手の話を聞いていて彼らの言葉じりから感じ取れるのが、練習時からあまり大きな決まりごとがないことである。そして実際に試合を見てみると、目的意識のあるコレクティブな練習ができているのかという疑問が残る。

 マンC戦後のラニエリ監督は「これが本当のレスターだ」と胸を張った。

「ここ数試合は非常に悪い試合をしたが、今日は強かった。試合のテンポを遅くして、クレバーな戦い方ができた。ポゼッションサッカーはできないが、我々の強みはプレースピードを速くして対処法を見つける出せること」

 しかしひとたびボーンマス戦後の指揮官は「厳しい結果だ」と肩を落とし、前節後の陽気なイタリア人の姿はなくなっていた。会見後、敵地のバイタリティー・スタジアム内のコンコースを歩く際には、自身の携帯電話のスクリーンを凝視して何かを探しているようだった。

 その顔に映っていたのは混迷。開幕からもがき続けるレスターが必死に出口を見つけ出そうとしている様子と被った。老将率いるチームは今後の巻き返しに向けて秘策を見つけ出すことはできるのか。

 プレミアリーグ施行以降、優勝クラブが翌シーズンに降格したという前例はこれまでなく、もし降格となれば1937/38シーズンのマンC以来で80年近く前の話に遡る。シーズンの半分近くを終えているだけに、早急の立て直しが必要な状況なのは間違いない。

(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)

【了】

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