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朴槿恵大統領失脚が引き金に。元アジア王者・城南FC低迷を招いた“韓国のトランプ”の野望

text by キム・ドンヒョン photo by Kim Donghyun , Getty Images

難しい市民クラブの運営。市政に大きく影響受ける場合も

江原FC アルペンシアスキージャンプ競技
サッカー場とスキージャンプ台が合体している江原FC【写真:キム・ドンヒョン】

 元日本代表の前園真聖がキャリア最後にプレーした仁川ユナイテッドFCの例を挙げてみよう。仁川は韓国最初の市民クラブとしてスタート。出発は堂々としていた。前園を皮切りにクロアチア、韓国代表クラスの選手を獲得したのはもちろん、ドイツから監督を招聘し、チームの土台を作ろうとした。

 参戦してまもなくリーグで2位という素晴らしい結果をも残した。しかしそれからどんどん色彩を失った。市長が新しく就任するたびに1年の財政が大きく変わってくる。当然いい選手は残らず、いわゆる「セーリング・クラブ」として転落した。今夏にはスタッフやフロント、選手への給料未払いが発覚、大きな非難を受けている。市民クラブの悪例と言える。

 もちろん良い事例もある。以前スキージャンプ台でのサッカーという奇抜な発想をコラムで紹介した江原FCは江原道(日本でいう府や県)のクラブだ。来季からKリーグクラシック(1部)に復帰する彼らはオーナーの道知事がクラブ運営にほとんど手を出さない。

 プロ野球GM出身である敏腕GMに任せ、地元のクラブとして名声を高める一方、イ・グノ、キム・スンヨン(元G大阪)など韓国代表クラスの選手を続々と獲得し、連日韓国スポーツ新聞の一面も飾っている。市民クラブとしての役割分担がうまくされたいい例と言える。

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