変わりつつある国内情勢。シャペコとの縁も
今年11月29日、コロンビア国内でブラジルのシャペコエンセの選手や関係者を乗せた飛行機が墜落した事故は記憶に新しい。チームは南米大陸のクラブカップ戦「コパ・スダメリカーナ」の決勝のため敵地のメデジンに到着する間際だった。
その対戦相手こそがアトレティコ・ナシオナルだったのだ。優勝は大半の選手が犠牲となったシャペコエンセに譲るかたちになったが、もしも試合が実現していてアトレティコ・ナシオナルが勝っていたとしたら――今回のクラブW杯の予選にあたる「コパ・リベルタドーレス」(南米選手権)に続いて2冠に輝いていたことになる。
現在の注目選手は、ボールを持ってからシュートまでの動きに躊躇がない15/16シーズンのコロンビアリーグ得点王ミゲル・ボルハ、攻撃的MFとしてチームを束ねるベテランのマクネリー・トーレス、好セーブが目立つアルゼンチン人ゴールキーパーのフランコ・アルマーニだろうか。
コロンビアのサッカークラブと麻薬マフィアの関係は今も完全に切れたわけではない。2014年11月には、ハメス・ロドリゲスが所属したエンビガドというクラブが、マフィアと関係を持ちマネーロンダリングをしたかどでメスを入れられている。
だが、コロンビアサッカーのイメージは徐々に変わりつつある。麻薬王国からサッカー王国へ。この12月、真価が問われている。
(取材・文・撮影:北澤豊雄)
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