3ポイント獲得目指すPSG。怒涛の追い上げ
しかしこの日のPSGはこの後ファイティングスピリッツを発揮した。
まあそれも当然である。
前節、この試合に勝てば暫定首位に立てるという重要なモンペリエ戦に3-0で敗れる失態を演じると、その3日後のCLグループリーグ最終節のルドゴレツ戦でも、楽勝と思われた試合で痛恨のドローを喫し、リーチがかかっていたグループ首位抜けの可能性を手放してしまったのだ。
ここで奮起せずにどうする! という状況の中、後半が始まって間もなくカバーニが2連続得点で2-2のイーブンに引き戻した。
そして決定機は、両監督が同時に動いた75分。ニースのファヴレ監督は、11月6日の第12節以来負傷欠場が続いていたバロテッリをプレアに替えて投入、PSGのエメリ監督は巧みなゲームメイクでこの日MVP級の活躍だったヴェッラッティを下げてベン・アルファを送り込んだ。
ファヴレ監督の戦略は明らか。トップにバロテッリ一人を残し、後ろは綺麗に5-4で隊列を作ってパリの追加点を抑えて勝ち点1を死守する作戦。
そしてPSGは当然ながら勝ち点3狙い。すでに後半戦からクリホビアクに替えてルーカスを入れて攻撃に比重をかけていた。
81分にもこの試合まったく効いていなかったディ・マリアに替えて右SBのムニエをサイドハーフに投入する。(ディ・マリアが退くときには、辛辣なブーイングが浴びせられた。今季で2季目のアルゼンチン人MFの貢献度の低さは、サポーターたちの不満材料のひとつでもある)
しかし結果はニースの思惑どおり、2-2のドロー。
試合後ファヴレ監督は、「後半の2失点は悔やまれるが、パリでドローという結果には満足している」と朗らかに話した。
一方のエメリ監督は「今日は選手たちの戦う姿勢がすばらしかった」とチームを讃えたが表情には陰りがあった。スペイン人指揮官は何度なく“自信”という言葉を繰り返したが、彼が指摘するように、今のPSGに必要なのは自信だ。