少ないチャンスを確実にモノにしたニース
とはいえ、成績が振るわないときにネガティブな報道が出るのはサッカー界の常。
「“イヤなこと言うから、もうお話ししないもん!”って、あいつら子供かっ!」
「イギリスやスペインのメディアはもっと辛辣。この程度でナニ言ってんだ……」
「プロ意識が低すぎる!」
と報道陣の間では怒りと呆れが沸騰していた。
そんな中で試合はスタート。
おそらくドロー狙いのニースは、守備時には5バックになる5-3-2のシステム。対峙するPSGのエメリ監督は、それを想定していたのか、左サイドにマテュイディを起用した。
ボランチにクリホビアクを配してマテュイディをサイドアタッカーとして使うのは、アーセナル戦などすでに何試合かで試している。守備力にも優れたマテュイディをサイドに配することで、相手のプレッシャーにより対抗できる。前半戦で相手の勢いを削いだところで、後半により攻撃力に優れたルーカスを投入して押し込むつもりだったのだろう。
が、予想に反してニースに先手をとられてしまう。32分にMFシプリアンが直接FKから先制点。それまでボールポゼッションはPSGがほぼ独占し、シュートチャンスのなかったニースにとってはワンチャンスをゴールにつなげた、この上なく理想的な得点だ。
さらに前半ロスタイムにもニースが追加点。左後方からの長いクロスをニースの得点頭プレアがゴール前でとらえる。チアゴ・シウバが競ったがクリアしきれず、こぼれ球をプレアが見事に左足で叩き込んだ。
前半戦終了のホイッスルとともにロッカールームに引き上げるPSGの選手たちに、スタンドからは痛烈なブーイングが浴びせられる。
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