ピッチ外の喧噪で揺れるなか首位決戦を迎えたPSG
フランスで『秋のチャンピオン』と呼ばれる前半戦の王者。12月に入った時点でその候補はモナコ、ニース、PSGの三者に絞られたが、第17節は、そのうちの2クラブ、PSGとニースの直接対決となった。
今季、開幕直後から好調のニースは、第6節でモナコを4-0で撃破して以来首位に君臨し、このパリ戦でドローなら今節も首位の座をキープ。一方彼らに勝ち点4差をつけられているPSGは、ここで敗戦なら秋のチャンピオンの可能性はほぼ消滅、という状況でこの重要な一戦を迎えた。
にもかかわらず、この日PSGはピッチ外でも大きく揺れていた。試合の日、スタジアムに到着するなり、入り口でスタッフから「今日はPSGの選手はメディアには一切話しませんのでご了承を」と告げられる。「なぜ?」と尋ねても「クラブからそうお達しが出たので我々もわからない」という返答……。
プレスルームは案の定その話題で持ちきりだった。その原因はおそらく、ここ数日にわたってフランスメディア(おもにレキップ紙)が報じていたクラブ事情についての抵抗。
レキップ紙が報じていたのは、CLの対アーセナル戦のあとのロッカールームで、ミスを犯したクリホビアクをマテュイディが責め、チアゴ・シウバが仲裁に入って一触即発だった、といったチーム内の不協和音を匂わせるものや、アル・ケライフィ会長の側近とクラブのディレクター陣との間に軋轢が生じている、というフロント陣のお家騒動、スポーツディレクターのパトリック・クライファートがエメリ監督にとって代わるのではないか、といった憶測記事だ。