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Jリーグ 8年前

鹿島の永木、28歳で見せる心技体の成長。新天地での苦闘乗り越え、体現された永木らしさ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

小笠原交代後に左腕に巻いたキャプテンマーク

小笠原満男
鹿島アントラーズでキャプテンを務める小笠原満男【写真:Getty Images】

「秀平が一人だけマイナスの方向に動いたので。あのタイミングでああいう動き方をしてくれると、だいたいフリーになるので。それは感じることができました」

 以心伝心のプレーに永木が満足感を表情に漂わせれば、右足のインサイドキックをダイレクトで合わせ、ゴール左へ正確無比な一撃を叩き込んで同点とした赤崎も続く。

「折り返しが来るだろうと思ってポジションを取りましたし、あとはゴールキーパーとディフェンダーの動きを見極めながら、しっかりと逆方向に蹴るだけでした」

 赤崎と笑顔で抱き合い、試合再開を待つまでのわずかな間に、ちょっとしたサプライズがあった。直前の後半18分に金崎との交代を告げられたキャプテンのMF小笠原満男が、左腕のマークを残された選手に引き継がせないままベンチへと下がっていた。

 つまり、同点とするまでは、アントラーズはキャプテンが“不在”の状態で戦っていた。ここでベンチの指示もあって、永木のもとへ黄色いキャプテンマークがわたってきたのだ。

 小笠原がいないときは、ゲームキャプテンを務めることになっていたのか――。記者会見場から一度ロッカールームへ戻ってシャワーを浴び、ジャージーに着替えて取材エリアへ姿を現した永木にこの点をたずねると、苦笑いしながら「いや、特に決まっていないんですけど」という言葉が返ってきた。

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