創造性の放棄は結果につながるか?
ホームで最終戦を迎えるレアルは、1位通過を目指して勝ちに来る。9月27日にドルトムントで行われた対戦時のように、ボールを明け渡してくることはないはずだ。敗北は何より“白いプライド”が許さない。
そうしたレアルの出方を踏まえれば、ここは“10番を放棄したサッカー”を選択しても良いのではないか。今回の遠征には膝の問題でゲッツェも帯同していない。
3日のボルシアMG戦では、2シャドーの一角に入ったデンベレが創造性を発揮して、4-1の大勝を収めた。そのままデンベレを“10番”として起用して、中盤で攻撃に違いを作り出す選択肢もある。
しかし無理に勝つ必要がなく、心理面で若干優位に立つことができることを考えれば、守備に比重を置いて、シンプルにカウンター狙いで良いのではないだろうか。5バックに3ボランチで、例えばロイスとオーバメヤンの2トップだ。
レアルは3日にアウェイでバルセロナとのクラシコを終えたばかり。コンディション面でダメージの残る相手であれば、ロイスや、デンベレをウインガーとして活かして、縦にスピーディーに攻める方が効果的だ。
創造性を放棄することで、かえって結果に繋がることもある。
その意味でもレアルとのCLグループF最終戦は、なおさら香川が無理を押して出場する状況ではないだろう。しっかりと足首の痛みを治してコンディションを整え、年内残り3試合となったブンデスリーガに備えたい。
(取材・文:本田千尋【マドリード】)
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