J2水戸のグエン・コン・フォン、AFFスズキカップで訪れた試練
ベトナム代表はAFFスズキカップ2016のグループステージを全勝で突破して準決勝へ進んだが、大きな期待を集めていたグエン・コン・フォンは忘れたいような時間を過ごすことになってしまった。
J2の水戸ホーリーホックで1シーズンを過ごしたコン・フォンは将来を嘱望されるストライカーであり、東南アジアで最も有望な才能の一人だと評価されてきた。「ベトナムのメッシ」とも呼ばれる彼は、年代別代表チームでのプレーを通して、得意のドリブルテクニックや優れた得点力でサポーターを喜ばせてきた。
A代表からの招集を受けてAFFスズキカップの大舞台に臨むことは、選手としてのキャリアの一歩前進であることは確かだが、今までよりはるかに厳しい試練でもあった。
コン・フォンに特別な注目が集まっていることはすぐに感じ取れた。たとえ出場しなくとも、ニュースには必ず彼の名前が現れる。活躍を見せれば誰もが彼の名前をコールし、活躍できなければ厳しい批判の対象となる。まだ代表経験の浅い若手選手に対する反応としては、不適当で行き過ぎたものだと感じられることもある。
AFFスズキカップの前に行われたいくつかのテストマッチに出場したとはいえ、コン・フォンはグエン・ヒュー・タン監督のファーストチョイスではなかった。攻撃の最前線には不動の存在であるレ・コン・ビンと、より経験豊富で好調なグエン・ヴァン・クイエットが陣取っている。コン・フォンはベンチスタートとなり、与えられるチャンスを掴まなければならない立場であることは彼自身も理解していた。