本田、久しぶりの出場。指揮官は左サイド起用を評価
なお最後に、久々の出場となった本田についても言及しておかねばなるまい。FKでアシストはつかないし、後半41分に見せたドリブル突破もフィニッシュに結びつけるべきだっただろう。
ただ試合の趨勢が決まっておらず、決勝ゴールが必要となる重要な時間に送り込まれ、押し込まれていた左サイドで指示通りにボールを集めてチャンスを作り、ファウルを得てFKで決勝点に絡んだ。それは事実だ。先発で失敗したジェノア戦と比べて、プレーにはキレもあった印象だった。
もちろん決勝ゴールを挙げたのはラパドゥーラだし、勝利はチーム全員の力。本田は交代選手を含めた14人の一人に過ぎない。ボナベントゥーラが健在なら左で使われることもなかったかもしれない。だが残るにせよ移籍するにせよ、今はこうした貢献を積み重ねることが重要である。
「昨日(3日)も言った通り、彼のプロとしての姿勢はとても評価している。そしていつもの右サイドと違って今日は左サイドでプレーさせたが、自分の気に入るものだった」。モンテッラ監督は試合後の記者会見で、イタリア人の地元記者の質問に対してはっきりとそう答えていた。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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