好調ミラン、昨季との違いは…
今シーズンのミランが今までと違うところは、下位からの取りこぼしがないことである。現在18位以下に沈むペスカーラ、パレルモからそれぞれ1勝を挙げている。
昨シーズンを振り返ると、降格したカルピ、フロジノーネ、エラス・ヴェローナから合計6試合で一勝しか挙げることができなかった。サッスオーロと勝ち点4の差でヨーロッパリーグ出場権を逃したミランにとっては、ここでの取りこぼしが響いたという言い方もできる。むろん現時点でペスカーラやパレルモが降格すると決めつけるのはあまりに早計だが、とにかく取りこぼしは禁物ということである。
もっともさきのペスカーラ戦も、またパレルモ戦も、内容ではかなり厳しい試合だった。両方とも苦しいところでゴールを決めて勝負をものにしてきたが、こうしたことがクロトーネ相手にもできるかどうかが試合のポイントになる。
クラブ史上初のセリエA昇格を果たしたクロトーネは現在19位。経営規模が小さくて補強は期待できず、しかも昇格の原動力だったイヴァン・ユリッチ監督をジェノアに引き抜かれたとあっては、パワーダウンは否めなかった。苦戦が続き、ようやく初勝利を挙げたのは開幕から2ヶ月以上もたった10月30日の第11節キエーボ・ヴェローナ戦だった。
ただしチーム自体はダビデ・ニコラ新監督のもと、攻撃的な内容のサッカーを展開している。戦力差が響いて後半には押し負けるが、格上相手にも攻めてリードを奪った試合も少なくなかった。
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