開始直後の失点で暗雲も…
未完の創造性が加わった。2016年12月3日、ボルシア・ドルトムントはホームにボルシア・メンヘングラッドバッハを迎えた。
6分、ラファエルに先制を許して、スタジアムを覆った沈滞。誰もが前節フランクフルト戦の再現を予感する。しかし1週間の間に、ドルトムントは「技術、メンタル、意欲」を取り戻していた。ロイスは「(フランクフルト戦の試合後に)監督が僕らを批判したのは全くもって正しい。今週僕らはフランクフルト戦を詳細に分析して、とても良い練習をした」と振り返る。停滞は一瞬だった。7分、オーバメヤンが決めて同点に追いつく。
この時、ゲッツェ、ゲレイロ、そして香川真司もいない中盤で創造性を発揮したのは、デンベレだった。ドリブルで2人をかわして、左足で前方のロイスへ。ロイスが落としたボールを、オーバメヤンが叩き込む。
ドルトムントの攻撃時は、3バックに2ボランチ、両ウイングバックが高い位置を取り、ロイスとデンベレの2シャドー。そしてオーバメヤンのワントップだ。守備時は5バックに、2ボランチが横にスライドして人数を掛け、ボルシアMGの得意とするサイドアタックを封じた。
デンベレが試合開始時からインサイドハーフに入るのは、今季では初のことだ。第7節のヘルタ・ベルリン戦で、途中交代で同ポジションに入ったことはあったが、先発の段階からとなると、このボルシアMG戦が初めてのことになる。今季加入してから突破力を活かして、主にウインガーとしてドルトムントの戦いに貢献してきたデンベレ。ボルシアMG戦では、加えて「10番」としての顔を覗かせた。