敵地での大一番はジダンにとって好条件
その結果、最近のマドリーはこれまで苦しんできたようなシチュエーションの試合にも勝利することができている。それが昨シーズンのリーガ第31節に行われたカンプ・ノウでのクラシコとアトレティコとのCL決勝、そして今シーズンのリーガ第12節に行われたアウェイでのマドリード・ダービーである。
この3試合でジダン監督が選択したプランはいずれも「守備から入り、速攻を狙う」というものだった。あるいは、これがラファエル・ベニテス監督だったとしたならば、たとえ勝利をあげたとしても一部では批判されていた可能性が高い。ところが、ジダン監督に対してはそのような声は上がっていない。
また、この3試合を時系列順に並べるとアウェイ、中立地、アウェイだったこともジダン・マドリーにとって有利に働いた。アウェイ戦と、不利と見られる中立地での決勝という状況であれば、ジダン監督も思い切って“引く”という決断ができる。無意味な批判の声も上がりにくい。
そして、今回のクラシコの開催地はカンプ・ノウである。「カンプ・ノウでのクラシコ」というシチュエーションは、ジダン・マドリーが力を発揮する絶好の機会ともいえる。
また、カゼミーロの戦列復帰は大きい。11月30日の国王杯4回戦CyDレオネサ戦では負傷からの復帰戦でフル出場しているため、今回のクラシコで先発するかは微妙だが、マドリーの中盤の人員では貴重な守備要員である。
バルサの心臓ともいえるブスケツを抑えるためには不可欠な存在であり、ベンチにいるだけでもジダン監督の選択肢は大きく広がる。バルサも、マドリーの全選手の中でカゼミーロが最も嫌な存在と考えているはずだ。
一方で、ベイルの離脱は大きな痛手でもある。特にカウンターを発動する際にはベイルの力強い突破とスピードは大きな武器となり、クリスティアーノ・ロナウドの得点を演出する。ジダン監督にとっては、ベイル不在でもバルサ相手に鋭いカウンターを失わないための代案が求められる。