アーセナルに“プランB”は不可欠。無敗記録ストップは当然の結果
多くの主力を温存して臨んだリーグカップ準々決勝は、サウサンプトンに0-2の敗北。本拠地エミレーツに鳴り響いたブーイングとともに、公式戦の無敗記録が19試合で途絶えた。
アキレス腱を痛めているサンティ・カソルラは復帰のめどすら立たず、エクトル・ベジェリンもノースロンドン・ダービーで足首を削られ、故障者リストに入っている。アルセーヌ・ヴェンゲル体制発足後20年、11月の勝点(プレミアリーグ)は1.59と月別の成績でも最低である事実を示すかのように、今シーズンもアーセナルは、一時の勢いが失われつつある。
メスト・エジルが好調で、オリビエ・ジルーの復調も著しいが、アレクシス・サンチェスは脱税疑惑に心が揺れているのか、精彩を欠いている。セオ・ウォルコットとアレックス・イウォビも、序盤戦ほどの出来ではない。
したがって、開幕からほぼ固定してきたメンバーではなく、プランBを用いてしかるべき時期がやって来たのかもしれない。しかしヴェンゲル監督は、「プランBは存在しない」と頑なだ。
「われわれは25名ものトップクラスを有している。11名ではなく、25名だ」
おそらく、“B”という表現に抵抗があるのだろう。B=二番手のような捉え方だ。
考え直さなければならない。レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンで数多くの栄冠に輝いたシャビ・アロンソは、「長いシーズンを乗り切るためには複数の戦略・戦術が必要だ」と語り、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も、「固定したメンバー、フォーメーションでは勝ち続けられない」と認めている。
ましてヴェンゲル監督は、選手の力に負うところが大きい指揮官であるがゆえに、サンチェスのコンディションが下降期を迎え、カソルラとベジェリンが戦列を離れたいま、無敗記録が途絶えたのは至極当然だ。だからこそ、プランBが必要なのだ。