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Jリーグ 8年前

松本山雅・飯田真輝が辿った成長の軌跡。“都落ち”からの飛躍。PO敗退も物語は第二章へ【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Getty Images

ずっと目標にしてきた土屋征夫

かつてヴェルディでプレーし、現在はヴァンフォーレ甲府に所属する土屋征夫
かつてヴェルディでプレーし、現在はヴァンフォーレ甲府に所属する土屋征夫【写真:Getty Images】

 私の知る、ピッチでミスに怯え、おどおどしていた飯田は、もうどこにもいない。まじめで、責任感の強さゆえに表出していた動揺は、前に出る一歩へと形を変えた。もともと取材対応は丁寧な人だったが、現在はそこに貫禄が加わった。長い時間をかけて育んだ確固たるものは、こうも人を変えるのだと率直に驚く。

「ヴェルディ時代、一緒にプレーさせてもらったバウルさん(土屋征夫/ヴァンフォーレ甲府)は、練習ではキャッキャ言いながら楽しくやっているのに、すごいプレーを連発する。それで、いざ試合となれば闘うスイッチがバシッと入るんです。僕はずっとそれを目指してきました。最近になって、ようやく少しは近づけているかなと感じているところですね」(飯田)

 他方、野球のメジャーリーグ。連投しても故障せず、使い減りしない投手のことを「ラバー・アーム」(ゴムの腕)と呼ぶ。しなやかな強さを持ち、42歳でJ1チームのスタメンを張る土屋はその典型だが、飯田はそれとはまた別種の剛健さがある。

 2016シーズン、J2クライマックス。シーズン終盤、松本山雅は北海道コンサドーレ札幌、清水エスパルスに競り負け、3位でJ1昇格プレーオフに回った。

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