アトレティコ・ナシオナルのスタジアムでの追悼式典【写真:Getty Images】
コロンビアのアトレティコ・ナシオナルの本拠地では、本来であればシャペコエンセとの試合が行われる予定だった時間に大規模な追悼セレモニーが執り行われ、大勢の人々が犠牲者への祈りを捧げた。30日付のコロンビア紙『エル・ティエンポ』などが伝えている。
アトレティコ・ナシオナルはブラジルのシャペコエンセを本拠地メデジンに迎え、現地時間30日にコパ・スダメリカーナ決勝1stレグの試合を戦うことを予定していた。だがシャペコエンセの選手たちを乗せた飛行機がメデジン近郊で墜落し、70名以上の犠牲者が出る惨事となったことで試合は中止された。
それでもアトレティコ・ナシオナルの本拠地アタナシオ・ヒラルドには、本来試合が行われるはずだった30日夜に大勢のファンが集結。スタジアム内では試合に代えて追悼セレモニーが行われた。4万人収容のスタジアムに10万人以上とも推定されるファンが集まり、入場できなかった者はスタジアム外で追悼を行った。
セレモニーにはアトレティコ・ナシオナルの選手たちのほか、ブラジル外相と文化相、メデジンとシャペコの両市長らが出席した。ピッチ上では献花が行われるとともに犠牲者数を表す71羽の鳩が放たれ、観客席のファンからはシャペコエンセへの激励の言葉などのコールが鳴り響いたと伝えられている。
アトレティコ・ナシオナルは、コパ・スダメリカーナ優勝のタイトルをシャペコエンセに譲りたいという意向を表明しているが、現時点で南米サッカー連盟(CONMEBOL)は決定を下してはいない。一方で、ブラジルサッカー連盟(CBF)の側は両クラブ優勝とする案をCONMEBOLに提示する意向であることをシャペコエンセの会長代行が明かしている。
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