浦和、敵地で先勝。GK西川の「いつも通り」のプレーが勝因に
昨年とは違い、1点の重みを理解する両チームだからこそとも言える堅い試合だった。29日に行われた明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ決勝の第1戦は、浦和レッズがPKの1点を“守って”鹿島アントラーズに1-0の勝利を収めた。
ホームで失点したくない鹿島と、引き分けでも問題なかった浦和。今季からレギュレーションが変わり年間順位が上のチームが有利になったため、2試合で7ゴールが生まれた昨季のような点の取り合いは起こらなかった。
前半から決定機の数は少なく、結局は後半、興梠慎三がペナルティエリア内のボールに関係しない場面で西大伍に倒されてPKを獲得し、阿部勇樹が冷静に決めて浦和が先制すると、終盤の鹿島の猛攻を全員守備でしのいで勝ち切った。
こういった試合ではPKを獲得した興梠の動きや柏木陽介のクロスなどがフォーカスされがちだが、浦和の勝利を引き寄せた最大の要因はGK西川周作の「いつも通り」のプレーだった。
後半の51分、浦和は右サイドのビルドアップでもたつき、ミスを金崎夢生に引っ掛けられて鹿島にカウンターを浴びる。土居聖真のスルーパスに抜け出した遠藤康がGKと1対1の局面を迎えたが、利き足でない右足から放たれたシュートは西川が体を張って止めた。
「ああいう後に必ずチャンスが来るなと思っていた」
そう西川が語ったとおり、57分に阿部のPKで決勝ゴールが生まれた。そして西川のプレーは単なるスーパーセーブでは片付けられない、浦和のチーム全体がCS決勝に懸ける姿勢が結実したシーンだった。