ベンチに置くにはもったいない選手と示す
第13節、セビージャ対バレンシア。ラモン・サンチェス・ピスファンでの試合は0-0でハーフタイムへ。後半に向けてホルヘ・サンパオリ監督はエスクデロをベンチに残し、清武をピッチに投入した。リーガでのバルセロナ戦に続いてチャンピオンズリーグでのユベントス戦と、ホームサポーターの前で2試合連続の黒星を喫していたセビージャとしては、荒れ気味で戦いにくくなっていた試合を変えるため何か違うことを実行に移す必要があった。
アルゼンチン人指揮官によって追放から呼び戻された清武弘嗣だが、セビージャでのリーグ戦出場からは実に2ヶ月以上も遠ざかっていた。後半を順調にスタートさせたあとはプレーの安定感が失われたが、試合感の欠如により何度かパスミスを犯す場面もあったとはいえ能力の高さは垣間見せていた。
9月17日のエイバル戦以来プレーしていなかった清武だが、出場機会を得られなくともチームに尽くす姿勢は揺るがない。6月にチームに加入して以来、定位置を与えられるほどサンパオリ監督を納得させることはできていないとはいえ、そのプロ意識の高さに一切疑いの余地はない。
試合を伝えた各メディアを見渡してみれば、印象は全て一致している。清武は多くのものを提供できる力を持っており、今のセビージャのプレーシステムの中で有効活用することが可能な、ベンチに置いておくにはもったいない選手だということだ。そして代表チームの活動が休止期間に入り、長旅を言い訳にはできなくなった今、今後の数週間はシーズンの残り期間を左右する重要な時期となるはずだ。