次節のクラシコに向け募る不安
こうなると、リオネル・メッシやルイス・スアレスという守備をほぼ免除されているプレーヤーの存在が、チーム全体の運動量という点でバルセロナには重荷となってしまう。特にスアレスは全フル出場選手の中では最低となるわずか31度のボールタッチ数と、全くボールに絡ませてもらえなかった。
バルセロナは第9節のバレンシア戦、第11節のセビージャ戦でも前線から激しくチェックしてくる相手には苦戦している。
次節はレアル・マドリーとのクラシコが控えている。今節で勝ち点差が6となり、引き分けすら許されない状況だ。今日のソシエダ以上に個の力を備えているチームだ。ジネディーヌ・ジダン監督は、ビッグゲームではクリスティアーノ・ロナウドらのスターにも汗をかかせる仕事をさせるだけのカリスマ性を持っている。この試合以上の苦戦も大いに想像できるところだ。この日のソシエダ戦もヒントとなるに違いない。
しかし、これだけ悪い側面を見せたバルセロナだが、負けなかったのはさすがというところか。終始ソシエダペースのゲームの中で、カウンターから、メッシとネイマールの2人だけで点を取りきってしまう個の力はやはり圧倒的だ。これまでの「組織のバルセロナ、個のマドリー」という図式とは違ったクラシコが展開されるかもしれない。
(文:高橋康光)
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