「ドローは奇跡」。バルサ、今季最悪のパフォーマンス
「1-1のドローで終わったのは奇跡だ」
試合後のバルセロナのルイス・エンリケ監督の言葉だ。バルセロナが、今年“鬼門”アノエタから持ち帰ったのは奇跡的に得た勝ち点1と「今季ワーストゲーム」という多くのメディアからの評価だった。この日のドローは、バルセロナにとっては敗北以上にショッキングなゲームとなったに違いないはずだ。
過去6シーズンの公式戦で5敗2分と苦手にしていたレアル・ソシエダとのアウェイゲーム。ルイス・エンリケ監督は「過去の成績は関係ない」と試合前に述べていたが、ソシエダイレブンには大きく影響していたようだ。
主将のシャビ・プリエトが、この数字は後押しとなると述べていたように、成功体験を共有する多くの選手たちは、この日もバルセロナを全く恐れていなかった。
この日のドローも含め、バルセロナは第13節を終了し、8勝3分2敗。このうち、勝利を得られなかった5試合は大きく2つに分けられる。自陣深くにブロックを構え、カウンター狙いに徹する相手を崩せなかったパターン(第3節のアラベス戦、第5節のアトレティコ・マドリー戦、第12節のマラガ戦)と、前線からハードなチェックを行い攻撃的に向かってくる相手に押し切られるパターン(第7節のセルタ戦、第13節のソシエダ)となる。
その後者となったこの日の試合、現役時代にバルセロナでプレーし、指導者としてバルセロナBを率いていたソシエダのエウセビオ・サクリスタン監督は、バルセロナと同じ4-3-3の布陣を敷き、両者は鏡を合わせる形で激突した。
試合直後から激しくプレスをかけ、ボールを奪い、テンポよくボールを繋いだのはバルセロナ、ではなくソシエダだった。ルイス・エンリケ監督が「もし外から来た人が、両チームがユニフォームを変えてプレーしているのを見たら、きっと相手側をバルセロナだと思っただろう」と述べるほど、ソシエダはバルセロナのお株を奪うプレーを見せていた。