ラパドゥーラの姿勢が控え選手たちを刺激するか
ただ最近の試合では消えている時間があまりに多かったバッカと違い、守備もつなぎも懸命にこなすラパドゥーラの方が現在のチーム戦術にはマッチしているような印象を受けた。
開幕からは鳴かず飛ばず、ミラノでは懐疑論も起こっていたのだが、セリエBで27ゴールを決めたラパドゥーラとはこういったストライカーだ。
「彼にはミランの他のどのFWにも見劣りしないのだから耐えろと言った。私だったら他の選手と変えてラパドゥーラを常に使う」
10月30日のミランvsペスカーラ戦後の記者会見で、昨季ラパドゥーラを育てたマッシモ・オッド監督が迷いなく言い切っていたのが思い出される。今後より守備の堅い強豪との対戦でどうかという不安はあるが、エンポリ戦のパフォーマンスで今後の定位置争いに名乗りを上げたことは間違いない。
一生懸命な姿勢がプレーに現れ、良好なフィジカルコンディションにもトレーニングの成果が感じられる。そんなラパドゥーラを見ていると、控えの立場から追い上げて信頼を勝ちとるというのはこういうことだというのが良く分かる。現在出場機会を失っている選手たちは、一体何を思うのだろう。
(取材・文:神尾光臣【エンポリ】)
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