チームの底上げの機会に使われるエンポリ戦
ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督【写真:Getty Images】
前節のミラノダービーで、ミランはリードを保つことができなかった。2得点を挙げたスソをインテルが長友佑都を使って抑えこみ、ミランのカウンターを殺しつつ攻めたのが要因である。ただ主力が疲れた時に、それを補える選手がいなかったということも露呈した。
ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は「中盤から組み立てて、ラインを上げるようにして欲しかった」と語ったが、思惑通りには行かなかった。前線でボールを運ぶエムバイエ・ニアン、ボールを奪いながら前に出て行くユライ・クツカが疲れてくると、いくらスソの組み立てやジャコモ・ボナベントゥーラの推進力が優秀だと言っても、やはり全体に響いてくるものである。
ということでエンポリ戦ではメンバーを入れ替え、チームの底上げのための機会として用いられるようだ。前線ではニアンの代わりにボナベントゥーラが一列前に上げられ、モンテッラ監督曰く「体力よりもメンタルの面で疲れが溜まっている」というクツカも今回はお休み。中盤にはマリオ・パザリッチとマティアス・フェルナンデスが起用される模様だ。
もっとも、エンポリは舐めてかかるべき相手ではない。今季はさすがに苦労し、格上にはことごとく破れているとはいえ、リカルド・サポナーラやマッシモ・プッチャレッリら前線のタレントは健在である。
昨季に主力へと成長した19歳のアッサメ・ディウッセや、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表の新鋭ラデ・クルニッチなど中盤にも若いタレントがいる。主力でなかった選手たちを使いつつ、これらを抑えて勝ち点3をキープするというのは大変な作業となるに違いないが、果たしてどうなるか。
なお、本田圭佑はベンチスタートの模様だ。彼とルイス・アドリアーノ、また最近はバッカにまで1月移籍との噂が出ているのだが、会見でモンテッラ監督は「1月までまだ1ヶ月以上もある。今の時点でコメントするのは早計だ」と戦力としての評価を語らなかった。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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