風間監督の退任、大久保移籍報道の余波
続出した故障者と、終始アントラーズにコントロールされた試合展開に加えて、フロンターレの敗因としてどうしても見逃せない点がある。セカンドステージを戦っていた10月に風間監督、前人未到の3シーズン連続で得点王を獲得してきた大久保の契約満了に伴う退団が報じられたことだ。
しかもセカンドステージ終了後には、前者がクラブ史上初のJ2降格を喫した名古屋グランパスの次期監督に就任し、後者がFC東京入りすることがそれぞれ報じられている。シーズン中ということで風間監督はグランパスの件に関しては沈黙を貫いたが、大久保は7日の段階で自ら移籍を明言している。
大久保としては、報道が先行するなかで何も言及しないことは、ファンやサポーターに対する裏切り行為だと思ったのだろう。しかし、一丸となって戦うことが求められる大一番を前に、フロンターレを強豪へステップアップさせた指揮官とエースの退団が明るみになった余波は決して小さくない。
サッカーはロボットではなく、さまざまな感情を抱いた人間たちが集まって繰り広げられる。たとえばアントラーズにも、チームを揺るがす事態が発生している。交代を命じられた金崎が石井正忠監督に悪態をついたことと、直後に石井監督が心労からくる体調不良で一時的な休養に追い込まれたことだ。
いずれもセカンドステージで不振にあえいでいた8月中に起こったことで、結果として逆転で頂点に立ったファーストステージから、セカンドステージでは11位にまで落ち込んだ。第14節以降を4連敗で終えた軌跡を含めて、ピッチ外の騒動が決して無関係ではなかったと昌子は打ち明ける。
「僕たちには影響がないと強がってはいましたけど、正直なところ、どこかにはあったと思う」