病院から励まし送ったタイの故プミポン国王
前回の2014年大会も、マレーシアとタイの間で行われたホーム&アウェイの決勝は、タイで約4万5,000人、マレーシアでは約9万人と、それぞれのスタジアムは満員のサポーターで埋まった。さらに、その決勝戦に注目していたのは、一般の国民だけではなかった。
ホームで迎えた第1戦をタイは2対0で勝利した。だが、マレーシアで行われた第2戦では、ホームの大歓声の後押しを受けて勢いに乗るマレーシアに序盤から失点を許し、前半だけで2点のリードを奪われ、2試合合計のスコアを五分に戻されてしまう。
ところが、その試合のハーフタイム。タイ代表のもとになんと、今年10月13日に逝去された故プミポン国王から激励の伝言が届いたという。当時、病院で療養していた国王も試合経過を見守っていて、代表チームの劣勢にいても立ってもいられなかったのだ。
国民から絶大なる親愛を集めた国王からの励ましに、現在もタイ代表の指揮を執るキャティサック・セーナームアン監督は「鳥肌が立った」と、その時のことをメディアに語っている。
国王の激励もあって、タイ代表は終盤に2点を奪い、結局試合には3-2で敗れたものの2試合の合計成績でマレーシアを上回って、シンガポールと並ぶ最多4度目の優勝を果たした。2002年大会以来、12年ぶりの戴冠となり、バンコクで行われた優勝パレードには大勢の市民が詰め掛けた。まさに国民的イベントとも言える大会となった。