W杯以上? 注目度が高い理由
2年に一度開催される東南アジアサッカー選手権大会(AFFスズキカップ)。11月19日からフィリピンとミャンマーを舞台にグループステージが始まり、連日熱戦が繰り広げられている。12月3日から始まるホーム&アウェイ方式の準決勝以降は、さらなる盛り上がりが予想される。その熱狂は時に、一国の王すら動かしたこともあった。
この原稿を書いている11月23日時点で、フィリピンがホスト国となったグループAではタイがインドネシアとシンガポールを下し、グループステージを1位突破しているほか、グループBではベトナムが開催国ミャンマー、マレーシアを破って準決勝進出を決めている。
東南アジアでもサッカーは人気の高いスポーツだ。現実的にまだW杯出場やアジアレベルのタイトル獲得が困難な各国にとって、この大会は地域のものとはいえ、“タイトル”が懸かった重要なイベントとなる。
また、東南アジアは世界的な先進国シンガポールからミャンマーなどの新興国まで、サッカーのレベルだけでなく、国力の差も大きい。その中で、小国は大国を見返そうと、強豪国は維持とプライドを懸けて挑んでくる。
したがって国民の注目度は高い。マレーシアがインドネシアを下して初優勝を飾った2010年大会は、のべ約2億人がテレビ観戦した。インドネシアでは決勝戦の2試合を、平均1200万人の視聴者がテレビ観戦し、インドネシアで放送された同年の南アフリカW杯の試合の視聴者数を上回っていたという。身近な代表の活躍が、インドネシア国民の心をより引き付けたのだ。