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ペップが選手に課す「鉄の掟」。ガチガチの“管理主義”は英国風土に適しているのか?【東本貢司の眼識】

今季マンチェスター・シティーの監督に就任したペップ・グアルディオラは、世界屈指の戦術家として数々のタイトルを掲げてきた。それと同時に、選手に「鉄の掟」を科してがんじがらめにするガチガチの“管理主義者”としても知られている。この夏にシティーを去ったサミル・ナスリはペップからのセックス禁止令を告発したことが報道されたが、果たしてペップの徹底した管理主義は英国の風土に適しているのだろうか?(文:東本貢司)

シリーズ:東本貢司の眼識 text by 東本貢司 photo by Getty Images

マンチェスターダービー前哨戦。ペップ隊長vsジョゼ・バットマン

ペップ
マンチェスター・シティーのペップ・グアルディオラ監督【写真:Getty Images】

 少し遡って9月初旬、無敗同士の激突となったマンチェスターダービーを控えて、実に興味深いパロディー映像がネットで話題となっていた。舞台はマンチェスター市街地の某所、ビルの谷間の裏通りを百名以上の市警部隊が、なにやら厳めしい風情で行進していく。

 彼らの向かう先、通りの突き当りには、シティーホールらしき重厚な建物。と、その正面エントランスからのっそりと登場したのは、カーキ色の野戦服に身を包んだスキンヘッドの男。不敵な薄笑いを浮かべる彼こそ、他でもないペップ・グアルディオラである。

 その背後には同じ戦闘服の剣呑な男たちがおよそ数十名、隊長らしきペップから一歩控えた脇には副官と思しき、いつもながらに無表情なラヒーム・スターリングの姿が。見るからに革命テロ戦闘集団らしき彼らは、いずれもサブマシンガンを小脇に抱えている。

 ホールエントランスから見下ろす彼らと対峙するように、市警の一団が歩を止めた。と、二列目からうやうやしく現れたのは、一分のすきもない制服姿の指揮官、顔を見るとおや、ウェイン・ルーニーではないか。

 そして彼が甲高いかすれ声でつぶやいた一声、「この町にフットボールクラブは一つで沢山だ」。ペップ隊長の返礼は早口のブロークンイングリッシュでよく聞き取れない。たぶん「じゃ、その一つってやつをここで決めてやろうじゃないの」とか何とか。

 そのとき、市警部隊の後方から頭上をかすめるように轟然と漆黒の飛行物体が飛来する。アップで映し出された黒ずくめの怪しいパイロットの正体は――高笑いする“バットマンもどき”のジョゼ・モウリーニョ。それを合図に両軍の激烈な一斉正面衝突が始まる。

 先頭に立つペップは喜々として次々と素手で敵兵をなぎ倒していく。フィル・ジョーンズもその犠牲になる。そこへ地上に降り立ったジョゼ・バットマンがペップ隊長の前に立ちはだかった。

 ペップ「おや、負け犬がまた何しにやってきたのかな?」。ジョゼ「貴様を止めるために、だよ」。かくて二人は騒乱の中、満を持してのステゴロ対決へ…。

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