石井正忠監督【写真:ダン・オロウィッツ】
23日に明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ準決勝が行われ、鹿島は川崎Fを1-0で下し、決勝進出を決めた。石井正忠監督は、苦しい戦いの中で勝利という結果を手にしたことに安堵している様子だ。
1stステージを制した鹿島は、年間勝ち点2位の川崎Fに押し込まれる時間が長かった。それでも50分、山本脩斗の低めのクロスボールにニアの金崎夢生が頭から飛び込んで先制点をもぎ取ると、その後は川崎Fの猛攻に耐えて決勝への切符をつかんでいる。
石井監督は得点シーンについて、「選手が状況判断をして狙ってくれたと思う」と話したが、ハーフタイムの指示は先制点を呼び込むのに大きく影響していたようだ。
「川崎はクロスに対して比較的中央にとどまって、背の高い選手が中で待つということがあった。そういうところをどう崩すかというアドバイスをして、後半に向けて送り出した」
内容的にはピンチが多かったが、「こういう戦いになると予想していた」と石井監督。「まずは決勝に進むことができて良かった。どういう内容であれ、僕たちが1点上回っていることが次に進む条件だったから、それを果たせて非常に良かった」と結果を喜び、「選手たちは90分間、自分の役割を全うしてくれた」とチームを称賛した。
浦和との決勝は、ホーム&アウェイ方式。29日のファーストレグは、ホームでのゲームだ。
「今日の雰囲気を見れば分かると思います。川崎ファンの声援はチームを動かすことができる。それを今度はカシマサッカースタジアムで、多くのファンの中でできる。そこを最大限に使っていきたい」
石井監督は最後に、鹿島の今季のチームスローガンである『Football Dream(フットボール ドリーム)ともに』に触れ、「アントラーズに関係する全ての人たちの力を借りて、しっかり戦いたい」と熱を込めた。
2ndステージ王者で年間1位の浦和と戦う鹿島。川崎F撃破の勢いをそのまま持ち込めるだろうか。
(取材:チェーザレ・ポレンギ、文・構成:編集部)
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