悲願の初タイトルか、常勝軍団の勝利か
90分で勝敗が決まらない場合、延長戦やPK戦は行われず、年間勝ち点上位のチームが決勝に駒を進めることになる。対戦カードに当てはめれば、川崎Fが優位な状況にあるといえる。だが、相手が鹿島だということを忘れてはいけない。
例えば同点で終盤を迎えた時、川崎Fの選手たちに安堵感のようなものが芽生えてしまうと危険だろう。相手の隙を見逃さない鹿島は、そこを容赦なく狙ってくるからだ。下り坂のままシーズンを終えたとはいえ、決勝進出が懸かる試合は全くの別物と考えるべきだ。
1回戦が行われなかったことで調整を万全。集中力を研ぎ澄ませていることだろう。17冠のうち、リーグ優勝は7回と他の追随を許さない鹿島だが、CSで強さを発揮して年間チャンピオンに輝いたシーズンもあった。年間通して見れば、『鹿島以上』のチームは確かに存在した。
しかし、歴史は最後に笑った者しか記憶しない。言い換えれば、Jリーグは最後に笑った鹿島の歴史でもあるのだ。
もちろん、川崎Fに油断や慢心はないだろう。風間監督を日本一の監督にしたいという想いは誰もが持っているはずで、いつも通りに戦えば問題はない。むしろ、チーム全体が共有している強い想いが、かつてないほどのパワーを生み出す可能性も十分にある。
悲願の初タイトル獲得に燃える川崎Fか。それとも、勝利の味を誰よりも知っている鹿島か。互いに負傷者が戻ってくるかどうかというデリケートな時期ではあるが、激戦を制し浦和レッズの待つファイナルに駒を進めるのはどちらのチームだろうか。23日、等々力陸上競技場で14:00キックオフだ。
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