ドルトムントの中盤は苛烈な競争
ドルトムントの中でも、中盤の2列目中央は最激戦区。14年W杯で世界王者となったドイツ代表のゲッツェ、16年EUROで欧州王者となったポルトガル代表のゲレイロ、ドイツ代表候補のカストロ、年代別のドイツ代表歴のあるローデ…。
場合によってはドイツ代表のシュールレやフランス代表のデンベレといったサイドアタッカーも同ポジションの候補となる。
9月29日のW杯アジア最終予選に臨む日本代表のメンバー発表会見で、監督ハリルホジッチが「先発を取りにいくために真司は狂ったようにトレーニングしないといけない」と語ったとされる。
ライバルをザッと並べて見ただけでも、香川が置かれている競争環境は常軌を逸している。日本人選手でなくとも、ブンデスリーガに所属するほとんどのMFにとって、ドルトムントの中盤で「先発を取りにいく」ことは狂気の沙汰だ。
しかしそんな苛烈な競争の中、トゥヘル体制1年目では、今季と多少メンバーは違うが、前半戦はもとより後半戦の序盤の停滞を乗り越えて輝きを放った。振り落とされずに喰らいついた。
難攻不落だったバイエルンを倒し、怪我人もめっきり減り、ドルトムントの調子は上向いている。香川もレギア戦で振り落とされずに、チームの波に乗って、喰らいついていきたいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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