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イブラ抜きのマンU、勝ち点3逃すも見えた光明。モウリーニョが選択した“走れる”布陣

text by 小澤亮太 photo by Getty Images

35歳キャリックがもたらした安定感

パス能力の高さでリズムをもたらしたマイケル・キャリック
パス能力の高さでリズムをもたらしたマイケル・キャリック【写真:Getty Images】

 この引き分けでユナイテッドはストーク、バーンリー、アーセナルを迎えてホーム3試合連続引き分け。モウリーニョ監督も「勝ち点9取らなければならないところを6落とした」と話している。この3試合での得点は2。得点を奪いきれない現状がチームの順位に直結しているように見える。今回のアーセナル戦でも追加点を取り切れなったことが追いつかれた一番の要因である。

 しかし、シーズン開幕直後のポグバやイブラヒモビッチに代表される個の力にすべてを頼る攻撃から脱却しつつあることは確かだ。チームの骨格が12試合を終えてようやく見えてきた。

 アンカーのポジションにキャリックがいることで中盤に安定感がもたらされる。35歳という年齢からフル稼働は難しいが、チームにリズムをもたらすパスワークは欠かせないものになっている。

 また、ゲームメークをキャリックが担当することでエレーラ、ポグバが後ろに下がらずに積極的に前線へ攻撃参加をすることができ、厚みがもたらされる。そこに右サイドからマタが中央に絞りながらコンビネーションを作り出す。空いたスペースにはアントニオ・バレンシアがオーバーラップをしてくる。

 ユナイテッドは4位のアーセナルと勝ち点差6の6位。首位のリバプールとの勝ち点差は8になっている。上位4チーム(2位マンチェスター・シティ、3位チェルシー)との大きな差は得点力だ。ここまでの12試合で見ると、ユナイテッドは17得点、上位4チームの平均得点は27得点。すでに10点差が開いているのだ。

 これから12月18日のウェスト・ブロムウィッチ戦までヨーロッパリーグやリーグカップの試合が組み込まれており、中3日の試合が続く。さらにプレミアリーグ伝統である年末年始の試合もある。ユナイテッドがここから上位に進出していくためには得点力のアップが必要不可欠だ。そのための指針は見えてきた。厳しい日程を乗り切り、勝ち点をしっかりと上積みしていきたい。

(文:小澤亮太)

【了】

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