「アクションサッカー」と「リアクションサッカー」
マドリーは全体が低いポジションで展開している中で、イスコは相手のDFラインと中盤のラインの間で撹乱させるような動きを見せ、最前線のクリスティアーノ・ロナウドを孤立させることなくつなぎ役として機能していた。
67本というロングパスを記録する中で、イスコはショートパスにドリブルといったプレーでアトレティコの守備陣を切り裂いていた。
イスコを捕まえ切ることができなかったことで、アトレティコはDFラインと中盤、前線にギャップが生まれ、21回ものファウルを犯さなければならなくなった。
そして23分にはFK、71分にはPKでの失点を余儀なくされ、さらに77分にはまたしてもカウンターからベイルに突破され最後はクリスティアーノ・ロナウドにハットトリックとなるゴールを決められた。
アトレティコの4-4-2からのプレッシングスタイルは、“弱者”が“強者”を打ち破るために確立されたともいえる戦術である。本来、バルセロナやバイエルンといったチームは常に主導権を握る戦い方をしてくる。そういったチームを相手にした際に最も効力を発揮する。
サッカーでは、「アクションサッカー」と「リアクションサッカー」に分類されることがあるが、アトレティコは支配率こそ高くはないが、「アクションサッカー」に分類されるスタイルだといえる。
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