アトレティコのプランを狂わせた4-4-2
またしてもプレッシングは封じられた。ジネディーヌ・ジダン監督はディエゴ・シメオネ監督にとって天敵となっていくのかもしれない。
レアル・マドリーは通常4-3-3で戦うチームだが、この日はアトレティコと同様の4-4-2を採用。キックオフ直後はある程度引いた状態からカウンターを狙うプランを立てた。
試合のスタッツを見ると、支配率こそアトレティコの47.3%に対してマドリーは52.7%と上回っていたが、プレーエリアはアトレティコが敵陣で61.11%だったのに対してマドリーは自陣で59.73%と引き気味に戦っていたことがわかる。
やはりCL決勝の記憶があったはず。この昨シーズン最後の一戦でも前半14分の先制点後に引いたことでアトレティコのプレッシングが封じられていた。偶発的とも言えたこの戦略だが、今回は長い時間をかけて準備をしてきたことがうかがえる。
4-4-2というシステム自体が付け焼き刃でできるものではなく、特にクリスティアーノ・ロナウドをトップにその背後にイスコが配置される2トップの動きは周到に準備されたものだった。
本来、支配率は低くてもプレーは敵陣で出来ているという状況はアトレティコのゲームとなるはずだった。しかし、この2トップ、特にイスコの存在がアトレティコのプランを狂わせることとなった。
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