リーガの醍醐味。試合開始の注目ポイントとは?
アトレティコはエースのグリーズマンが負傷欠場する可能性も伝えられていたが、大事には至らず先発出場が濃厚となっている。グリーズマンは、9月に4試合で5点と爆発的な活躍を見せたが、10月は4試合で1得点と沈黙した。
とはいえ、7-1で勝利したグラナダ戦では1アシスト、4-2で勝利したマラガ戦では2アシストで計3アシストを記録。自らの得点はなくとも、味方をお膳立てすることでチームに貢献した。欠場となれば1人分では済まないほどの戦力ダウンとなるため、シメオネ監督は胸を撫で下ろしているはずだ。
そのほかにアトレティコの攻撃陣ではカラスコの存在感が目立つ。今季から背番号10を背負うベルギー代表の左サイドハーフは、バイエルン戦でグリーズマンのアシストから決勝ゴールを奪うなど、右肩上がりの選手。CL決勝でも同点ゴールを決めており、ビッグマッチで“何かやりそうな予感”を感じさせる存在でもある。
ただ、アトレティコはここ3試合で1勝2敗という結果を出してしまったことで首位のレアル・マドリーから勝ち点差6の4位となっているため、ホームでのこの一戦は勝ち点3が欲しい。逆に勝ち点0となれば優勝戦線からは遠のくため、よりプレッシャーは大きい。
キックオフ直後に注目すべきは、マドリーの戦略となる。中盤の守備に不安があり、ロングカウンターが強力なマドリーが引いてしまえばアトレティコにとっては非常に難しい試合となるだろう。
しかし、アトレティコもプレッシングだけのチームではなく、コケやガビのボール捌きにゴディンを中心とした跳ね返す力を持つ。CL決勝の記憶はシメオネ監督にもあるため、プランBを準備している可能性は大いにある。マドリーが“サッカーを放棄”した際に、シメオネ監督がどのような対策を練るのか。
リーガでは「試合開始のゲームプラン」「前半30分以降の対応」「ハーフタイムでのプラン変更」「試合終了10分前からの決断」といった具合に指揮官の采配も読み解きながら観戦する楽しみがあるため、自らも監督となった視点で是非注目して欲しい。
(文:海老沢純一)
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