昨季と異なる岡崎の役割
幸運にもCLでは抽選に恵まれて比較的楽なグループに入ったため、勝利を重ねることができた。しかしリーグでは低調なパフォーマンスを続け、そんな中、見方によって他力本願だが、岡崎は不調のチームを助けるために必要な駒として再評価されることになる。
それは直近のウェストブロムウィッジ戦後のラニエリ監督の言葉からも明らかだ。1-2で負けたこの試合では前半45分のみの出場となったが、指揮官はバーディーではなく岡崎を先発起用した。このことについて、「現段階ではシンジを入れたチームのほうがベターだ。今日は違ったが、シンジとのプレーの方がチームはうまく機能することが多い」と説明している。
そして、最近はマスコミも岡崎の貢献度の高さについてしばしば取り上げている。特に今季リーグ戦初ゴールを挙げた10月22日のクリスタル・パレス戦後には、プレミアリーグのハイライト番組『BBC』の「マッチ・オブ・ザ・デー」でも岡崎に焦点を当て、「献身的で欠かせない選手」として紹介された。
現在の岡崎は4-4-2の2トップの一角を占めるというよりも、4-4-1-1の攻撃的MF/トップ下の役割をこなしている。昨季も岡崎がポジションを下げることでこのシステムになることはあったが、今季の場合は、意図的にこのフォーメーションを使っているのである。
前述のとおり中盤から前線へボールがつながらず、攻撃の組み立てがうまくいかない。そこでラニエリ監督は、運動量が豊富で高い位置から敵のボランチやDFにプレッシャーをかけることもでき、さらに組み立てまでをこなせる岡崎をこの位置に配することにした。
効果はてき面で、それ以前よりも円滑にボールは回るようになった。しかしさらに重要なのは、岡崎が一緒にピッチに立つと、最近のチームはよりコレクティブなサッカーができるようになるのである。