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酒井宏樹が語る、欧州の守備文化。ドイツもフランスも「ドリブラーに対して下がらない」【インタビュー】

2016-17シーズンから、フランスの名門オリンピック・マルセイユでプレーする酒井宏樹。今夏の移籍直後から、国内随一の人気クラブで右サイドバックとしてレギュラーの座を確保している。もはやヨーロッパ屈指の強豪となったパリ・サンジェルマンとの大一番を経た10月25日、フランス南部へ日本代表DFを訪ねた。(取材・文:小川由紀子【マルセイユ】)

text by 小川由紀子 photo by Yukiko Ogawa,Meryll Vian / OM.net 2016,Getty Images

「サイドバックは一番(批判を)言いやすいポジション」(酒井宏樹)

インタビュー取材はマルセイユのクラブハウスで行った
インタビュー取材はマルセイユのクラブハウスで行った【写真:小川由紀子】

 第10節のフレンチ・クラシコことPSG戦を3日後に控えた10月20日、マルセイユの新監督にリュディ・ガルシアが就任した。

 大一番に向けて中2日間という準備期間でガルシア監督が講じたのは、「負けない」プラン。

 相手ボール時には両サイドが下がって5バックとなる3-5-2の布陣で挑み、狙い通り、4連覇中の王者PSGから0-0のドローで勝ち点1をもぎとった。

 それまで開幕以来全試合で先発起用されていた右SBの酒井宏樹は、新指揮官からも、初めて挑むこの新システムでスターティング・イレブンとして大役を任され、クリーンシートに貢献した。

 しかし酒井は、「まったく満足していない」と言う。「ここにいる間、悔いのないようできることはすべてやりたい」と語る26歳の日本代表サイドバックに、まだPSG戦の余韻が残る2日後の練習後、チームのクラブハウスで話を聞いた。

―――あらためて、PSG戦の感想を

 そうですね……歴史がある戦いだったので、そこに自分が参加できるのはうれしかったですし、同時に恐怖もありました。絶対に勝たないといけない、絶対に負けられない、といった戦いの中に入るのは今までのサッカー人生でもありましたけど、歴史を背負った戦いというのは初めてだったので、凄かったですね。

―――勝てなかったことは残念だったにしても、王者相手に0-0という結果については?

 大きいな、とは思いますけど、個人としてはもっとできなくてはいけなかったと思います。2、3回のイージーなミスもありましたし。難しい試合なのはわかっていますし、それで満足しなければいけないところでもあったんですけど、0-0で終わったことに関しては、サッカー選手としては悔しさはやっぱりありますよね。選手はどの試合でも勝ちたいですから。

―――「フランスはアウェイでは引き分けで良しとする傾向がある」と、以前このリーグでプレーしていた松井大輔選手もよく嘆いていました。

 チームが機能してこそ選手が見られるので。どれだけ良い選手でも、チームが低い順位だったら評価はされない。良い順位だからこそ評価される。とくにサイドバックの選手はそうですね。

 それにサイドバックは一番言われやすいポジションで、攻撃が良くなかったらサイドバックが良くなかったって言われるし、守備が良くなかったら、やっぱりサイドバックが良くなかったと言われる(苦笑)。一番(批判を)言いやすいポジションですから!

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