ファン、監督、メディアも結果にご満悦
シュティーリケ監督は試合の結果に満足した様子だった。特にこの日、62歳の誕生日を迎えた彼は普段より喜んでいた様子だった。相次ぐ守備のミスに関しては「コミュニケーションが足りなかった。自陣でのパスの過程にミスがあったのは事実だ。改善しなければならない」と述べるも試合に関しては「選手たちが結果を作り出した。失点してから冷静さを失わなかった。相手より運動量もあったし、ポゼッションも上回った。全体的に満足している」と述べ、選手たちを称えた。
ファンたちもそうだった。試合後に会ったイ・スンジンさんは「世論が悪いうえでの試合だったので、チームが少し乱れるのではないかと心配もした。正直シュティーリケ監督の采配に疑問があったのも事実」としながらも「とりあえず勝てたので満足している」とほほ笑んだ。
韓国大手スポーツ新聞社『スポーツ朝鮮』のキム・ガウル記者は「韓国は最初から攻撃的な布陣だったが、後半にようやく勝てた感じ。キム・シヌクのプレーもよかったが、ク・ジャチョルのゴールでシュティーリケ監督は留任される形となった。ク・ジャチョルがマン・オブ・ザ・マッチだと思う」と述べた。彼女は「試合結果によってシュティーリケ監督が解任されるかもしれなかった。次の試合はマルチェロ・リッピ率いる中国が相手なのでどうなるか楽しみ」と述べた。
また、イム・ソンイル記者は「シュティーリケ監督が、誕生日に交代カード3枚を適切に使い、新しい命を授かった」と表現。しかし、韓国サッカーの未来がかかっていただけに大げさには感じられなかった。もちろん守備の不安はまったく改善されない問題で、ソン・フンミンとキム・シヌクの不調和など課題も山積みだ。
折り返しの時点で起死回生の勝利を挙げた韓国は果たして今後どんなサッカーを展開するのか、注目が集まる。
(取材・文:キム・ドンヒョン【ソウル】)
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