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代表 8年前

サウジ戦、日本が警戒すべきは変幻自在の背番号と人選? 豪州の主力選手に与えた驚き

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「ホームとアウェイでは大きく違う」(スピラノビッチ)

 そしてスーパーサブにも要注意だ。19番のファハド・アル・ムワラッドは今予選全試合で後半途中から投入され、持ち味の爆発的なスピードで相手ディフェンス陣を翻弄。試合の流れを変える切り札となってきた。

 UAE戦ではアル・ムワラッドがピッチに立ってから3ゴールが生まれ、自ら決勝点を奪った。カウンターの際は猛スピードでボールを前線まで運び、1人でビッグチャンスを演出してしまうほどだ。タイ戦では右サイドからの果敢な仕掛けでPKを獲得し、イラク戦やオーストラリア戦もアル・ムワラッド投入後にサウジアラビアにゴールがもたらされている。

 また、前述したアル・サフラウィの存在も不気味だ。今予選では未だ出場ゼロだが、アジア2次予選の8試合だけで14ゴールを挙げた爆発的な得点力を秘めている。昨年まで目立った実績のないストライカーだったが、ロシアW杯予選が始まってからの勢いはすさまじい。

 スピラノビッチが「僕らが予想していた形とはちょっと違った」というのは、試合ごとの選手の入れ替えや主力の頻繁な背番号変更などを指していたのではないだろうか。交代カードのチョイスはある程度固まっているが、ベンチにも強烈な個性を持つメンバーが揃っている。

 オーストラリア代表の守備の要はもう一点、「彼らと戦う時、ホームとアウェイでは大きく違う」と指摘する。実際にサウジアラビアのホームゲームを経験したオーストラリア守備の要は「スタジアムに響くサポーターの声はすさまじく、本当に難しいゲームだった。サウジアラビアの選手たちにとって大きな後押しになっていたのは間違いないだろうね」と語った。だが、15日の試合は日本のホームであり、いつもならスタジアムにこだまする独特の大声援によるサポートはない。

 近年は低迷が叫ばれていたサウジアラビアだが、実は2015年1月のウズベキスタン戦を最後にひとつも負けていない。現在14試合無敗を継続中だ。日本はW杯出場に向けて厳しい状況に立たされており、そんな好調の相手から勝ち点3をもぎとらなければならない。

 スピラノビッチが指摘した日本のホームというポジティブな面を生かしながら、いかにアグレッシブかつ変幻自在の攻撃陣を封じるか。サムライブルーの真の力が問われる試合となりそうだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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