一種の撹乱作戦? 2つの背番号を使い分ける
サウジアラビアは両サイドに俊足の選手を揃え、積極的な仕掛けで相手守備陣に圧力をかける。ファウルをもらうのもうまく、ロシアW杯アジア最終予選の過去4試合ですでに3本のPKを獲得している。
そのすべてをゴールに変えているのが左サイドで絶対的な地位を築くナワフ・アル・アビドだ。抜群の身体能力でピッチを縦横無尽に駆け回り、決定的な仕事をする。直近のUAE戦では終盤にカウンターから見事なゴールを奪って健脚ぶりを見せつけた。
またこの選手は頻繁に背番号を変える。9月の初戦から18番(タイ戦)→10番(イラク戦)→10番(オーストラリア戦)→18番(UAE戦)と2種類を使い分けていた。今回はアジア2次予選まで10番を背負っていたモハメド・アル・サフラウィが招集メンバーに復帰しており、アル・アビドは18番で日本戦に臨むことが有力だ。
代表戦のピッチ上において、おそらく多くの選手たちは対戦相手を名前と顔ではなく背番号で認識している。特にアル・アビドのような世界的に無名の選手となれば、相手に顔を知られていない可能性が高い。試合前に発表されるメンバー表を見ればその試合で誰が何番を着けるか確認できるが、無名であることを逆手に取った一種の「撹乱作戦」と言えるかもしれない。
アル・アビドと反対の右サイドは、背番号ではなく起用される選手が試合ごとに変わる。タイ戦では圧倒的なスピードが武器のサルマン・アル・モアシェルが先発出場していた。しかし、イラク戦とオーストラリア戦ではスピードで圧倒するよりテクニカルな崩しを得意とするヤヒア・アル・シェフリが起用された。
今月11日のUAE戦(3-0でサウジアラビア勝利)ではオーストラリア戦から2列目の変更こそなかったものの、最前線にナイフ・ハザジではなく、ベテランのナセル・アル・シャムラニが先発するなど、変幻自在な先発メンバーの予想は難しい。