サウジアラビアの強さに驚かされた
カモメの舞うメルボルンのスタジアムで勝ち点1を獲得した直後、記者会見場でヴァイッド・ハリルホジッチの到着を待っていたら隣に座っていた一人の男性に声をかけられた。
地元『Triple Mラジオ』のピーターと名乗る若いディレクターと終わったばかりの試合についてそれぞれの立場で感想を述べ、お互いに次の試合が重要になるとの見解が一致した。そこでオーストラリアが日本戦の直前に対戦したサウジアラビア代表について尋ねると、少し険しい顔になってその印象を語ってくれた。
「まさにサプライズだった。あんなに強いとは思っていなかった。両サイドのスピードは脅威で、組織力も素晴らしかった。2-2は妥当な結果だったと思う」
日本戦で獅子奮迅の活躍を見せたオーストラリア代表の左SBブラッド・スミスも、逆サイドのベテランDFマーク・ミリガンもサウジアラビアの強烈なサイドアタックに手を焼いた。結局ライアン・マッガワンが日本戦に右SBとして先発し、ミリガンはベンチで試合を見届けた。
かつて浦和レッズでプレーした経験を持つオーストラリア代表DFマシュー・スピラノビッチにもサウジアラビアの印象を尋ねると、ピーターの言葉と重なる部分が見えてきた。
「素晴らしいサッカーをしていた。僕らが予想していた形とはちょっと違ったうえ、3、4人非常に能力の高い選手がいた。特に両サイドに。名前まではわからないけど、テクニックに優れ、スピードもあって、僕らはかなりひどくやられた」